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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第54章 若い雄の略奪愛――夫の前で応える、不実な愛の交歓
二人の吐息はますます熱を帯び、ねっとりと濃密に絡み合っていく。宇佐美がじわりと顔を近づけるたび、彼の昂った呼吸が澪の開いた唇へと直接吹き付けられ、その繊細な粘膜をピリピリと甘痒く痺れさせた。澪の狭まる視界を埋め尽くすのは、ただ自らへの渇望に濡れた宇佐美の瞳と、目と鼻の先にまで迫る彼の艶やかな唇だけだった。互いの鼻尖がかすかに擦れ合い、せき止められた熱気が二人の顔の間で爆発しそうに膨れ上がる。交わり合う体温が境界を失っていくなか、宇佐美の放つ圧倒的なオスとしての熱量と、じわじわと最奥を突く肉体の快楽が、澪の頭から思考のすべてを奪い去っていった。甘美な誘惑の引力に抗う術はなく、吸い寄せられるまま、拒絶の意思は完全に融解していく。澪はうっとりと瞳を曇らせ、宇佐美の唇を迎え入れようと、微かに、そしてどこまでも艶めかしくその濡れた唇を開いていった。
二人がまさに唇を重ね合わせようとするその光景を目にして、傍らで絶望に打ちひしがれていた雄一は、胸を掻きむしられるような衝動に突き動かされ、思わず叫び声を上げていた。
「澪ーーーッ! ダメだ、澪っ……!」
その、魂を削り取られるような夫の叫びと、地を這うほどに重く苦しい呻き声が、宇佐美の唇に重なろうとしていた澪の脳髄を鋭く突き刺した。
(私、は……何を……)
瀬戸際で踏みとどまった澪は、ハッと目を見開くと、宇佐美の顔の目の前でピタリと動きを止めた。夫の切実な叫び声によって、辛うじて残されていた「鴫原雄一の妻」としての理性が、彼女の身体を寸前のところでとどまらせたのだった。
二人がまさに唇を重ね合わせようとするその光景を目にして、傍らで絶望に打ちひしがれていた雄一は、胸を掻きむしられるような衝動に突き動かされ、思わず叫び声を上げていた。
「澪ーーーッ! ダメだ、澪っ……!」
その、魂を削り取られるような夫の叫びと、地を這うほどに重く苦しい呻き声が、宇佐美の唇に重なろうとしていた澪の脳髄を鋭く突き刺した。
(私、は……何を……)
瀬戸際で踏みとどまった澪は、ハッと目を見開くと、宇佐美の顔の目の前でピタリと動きを止めた。夫の切実な叫び声によって、辛うじて残されていた「鴫原雄一の妻」としての理性が、彼女の身体を寸前のところでとどまらせたのだった。

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