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聖母-愛と犠牲の果て-
第3章 第一章:非情な契約
数時間後。二人は足を引きずるようにして、西新宿にある鬼頭の持ちマンションを訪れた。紬は鬼頭が手配したという「シッター」に別室で預けられ、夫婦だけがリビングへと通された。
一見、高級な住まいに見えるその一室は、実は鬼頭が自らの欲望を満たし、時に撮影にも利用するために特別に改造した「スタジオ」だった。リビングの奥には、異常な存在感を放つキングサイズのベッドが鎮座し、隣接するバスルームは、外からそのすべてを克明に観察できる全面ガラス張りになっている。何も知らない夫婦は、その部屋が持つ異常な空気感に本能的な戦慄を覚えた。
「待っていたぞ、二人とも。……お利口な娘さんだ。あの子の将来を汚すかどうかは、これからの二人の出方次第だがな」
デスクの奥で、鬼頭 楼座は余裕に満ちた笑みを浮かべて二人を迎えた。その目の前には、あまりにも残酷な「愛人契約書」が置かれている。そこには、期限のない契約期間に加え、さらに二人の心を切り裂くような条項が記されていた。
『……なお、丙(鬼頭)と乙(澪)が逢瀬を重ねる際、丙の判断により、甲(雄一)をその場に同席させることができるものとする』
「なっ……! 逢瀬だと……!?」
そのあまりに場違いで、かつ侮蔑的な言葉を選んだ一文を読み、雄一が激昂して立ち上がった。
「鬼頭さん、ふざけるな! 妻をあんたに渡すだけでも死ぬほど苦しいのに、それを『逢瀬』なんて言葉で……。しかも、それを僕に見せつけるつもりか! そんなこと、絶対に認められない!」
雄一は嫉妬と嫌悪で半狂乱になり、机上の契約書を奪い取ろうとした。しかし、鬼頭は動じることなく、冷たい笑みを浮かべて彼を見据える。
「嫌なら帰れ。その代わり、今すぐ全額叩き返してもらう。……そうなれば、隣の部屋で笑っているあの小さな娘が明日からどうなるか、想像がつくだろ?」
「それは……っ……」
言葉に詰まり、唇を噛みしめる雄一の横で、澪は静かに万年筆を握りしめた。これほど残酷な設備が整った部屋で、夫がこれ以上、無様に、そして惨めに追い詰められる姿を直視できなかった。何より、娘の泣き声を聞くことだけは避けたかった。
「雄一さん、やめて。……私がサインするわ。だから、もういいの」
「澪! 正気か!? 逢瀬だなんて……あんな男と君が愛し合っているような真似を、僕の目の前でさせるつもりか!」
「大丈夫。私は大丈夫だから……」
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