この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シアター"名画座"で逢いましょう
第14章 許されぬ恋
数回の着信音の後、すぐさま彼がスマホに出てくれた。
- あ、日菜子さん?どうされましたか? -
彼の声に不安が混じっていた。
多分、デートの約束を反古にする連絡だと思ったのかもしれない。
「ごめんなさい…約束の時間に遅れそうなんです」
- なぁ~んだ、そういう事でしたか。全然かまいませんよ。気長に来てくれるのをお待ちしてますから -
『よかった…遅れることを怒ってないみたいだわ』
ホッとするとドッと汗が吹き出てきた。
これでは何のために何度もシャワーを浴びたのか本末転倒であった。
「お客さん、商店街に車を乗り入れる事が出来ないのでここでいいですか?」
「ええ、かまいません。ありがとうございました」
日菜子はタクシーを降りると、商店街を全速力で走った。
例の名画座が視界に入り、駆けて近づいてくる日菜子に気づくと、植え込みの陰に隠れていた朝倉も飛び出してきて、日菜子に向かって駆け出した。
商店街のど真ん中で二人は出会い、人目を気にすることなく抱き合った。
「そんなに慌てなくても良かったのに」
「早く…早くあなたに会いたかったの…遅れてしまってごめんなさい」
「いいんだよ」
人目を気にせずハグするまでは良かったが、さすがに熱い口づけを交わすには抵抗があったので、すぐさま抱擁を解いて二人は距離を取った。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


