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シアター"名画座"で逢いましょう
第11章 初めての職質
やがて巡回は夜になって妖しいネオンが煌めくラブホテルと例の成人映画館に差し掛かる。
- ラブホテルの木陰にさあ、どえらい美人が立っていたよ -
不意に引き継ぎ時に宮前巡査長が面白半分で告げたセリフが甦った。
昼間の話だったし、さすがにこの時間にはもう誰かと落ち合ってどこかに行ってしまっているだろう。
いや、宮前巡査長が言うように不倫の待ち合わせで、そのままラブホにしけこんで、今頃はおまんこをやりまくっているのかもしれないな。
そんなことを思いながら、ラブホテルの植え込みに目を凝らすと、植え込みの暗がりでもハッキリとわかるピンク色の服を着た女がポツリと背を向けて立っていた。
『えっ?!あの子が宮前巡査長が言っていた女性かな?
もしそうだとしたら、かれこれ6時間はあそこに立っていることになるぞ。これはもしかして、立ちんぼと言う売春婦なんじゃないだろうか…』
女は人目を避けるように暗がりでこちらに背を向けて立っている。
朝倉巡査は静かに自転車を降りて、彼女の背後から声を掛けてみた。
「すいません、おたくさん誰かと待ち合わせですか?
良ければ身分証などをお持ちでしたら拝見させてもらえますか?」
不意に声を掛けられた女性はビクッと驚いたように体を弾ませると、その場から逃げようとした。
「あっ!ちょっと待ちなさい!」
逃げられてたまるかと、朝倉巡査は慌てて彼女の手を取った。
「あ、あの…決して怪しい者ではありません!」
そう言いながら朝倉の手から逃げようと体を捻る彼女の顔を見て、朝倉は「あっ!」と驚いた声をあげた。

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