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蜜会…五月雨
第2章 春の舞い
2026年3月29日…
見えないが確かにある月の日
「朔(ついたち)の月」
「な、なぁ、美春…」
颯太は、わたしの目を見つめ…
「同窓会こっそり抜け出しちゃおうか…」
「………」
わたしは黙って頷いた。
そう、わたし達はあの頃とは違う…
もう大人なのだ…
そして…
互いの指先が絡まっていく……
春の舞い
ほどけし髪に
花の香や
絡む指先
熱を帯びゆく
わたしと颯太は、同窓会の喧騒に紛れてこっそりと会場を抜け出したーーー
外に出ると、春の風が頬を撫で、まだ冷たい外気が火照った心を緩やかに包み…
見えぬ、朔(ついたち)の月の夜闇に、静かに満開の夜桜が風に舞っていた。
賑やかな会場を背に…
夜露に濡れる歩道を、わたし達二人は
カツ、コツ…
と、冷たい靴音を鳴らしながら、足早に歩いていく…
春の舞い
喧騒の中
すまし顔
見えぬ月ほど
熱は満ちゆく

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