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夜空に煌めくアラベスク
第4章 かに座の女

約束の日がやって来て、成美はソワソワして誠也くんを待ちわびた。
あまり料理が得意ではない成美が、彼のために昨夜から一睡もせずに料理をこしらえた。
ケーキだって、思った以上にふんわりと焼けずにホットケーキの出来損ないのようになってしまったが、彼には手料理でもてなしたいと頑張った。

そうこうするうちに部屋のチャイムが鳴った。
ドアを開けると、患者として病院で会っているときよりもお洒落な服装の誠也がワインボトルを抱えて立っていた。

診察室で会う時とは違って、彼の顔は明らかに緊張していた。
それは成美にしてもそうだが、そこは大人なので笑顔で迎えたら、彼もほっとした表情をみせて部屋に入って来た。

部屋で、早速、彼が持参したワインを開けて飲ませていただく。
彼は未成年なのでコーラで我慢してもらった。

二人だけの時間では、白衣の鎧は通用しない。
ただの女と男としてまったりとした時間が流れてゆく。

成美は、お喋りしながら、グラスをぐいぐいと開けていく。
彼が持参したボトルを開けて空になった頃には、顔もすっかり赤みを帯びてきた。
酔えば当然のように淫らな気分になってくる。

成美は、彼の横に座り、軽く抱き寄せながら唇を奪うと、一瞬驚いて腰が引けた誠也くんも開き直って、彼は直ぐに自ら舌を絡めてくる。

『やだ、ウソ…。この子、ファーストキスは済ませているの?』

ビックリしたような顔で、成美は誠也くんの唇から逃れた。
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