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夜空に煌めくアラベスク
第4章 かに座の女
ここは、小さな市民病院。
整形外科医の成美のモニターに患者のMRI画像が送信されてきた。
先ほど診察した高校生の男の子の右肘の解析画像だ。
『あ~あ、これ、やっちゃってるわ…』
画像をチェックして自分の診断が間違っていなかったことを確信する。
「看護士さん、この患者さんをもう一度診察室にお呼びして」
補助として診察室に控えている看護士に、患者さんを診察室にお連れするように伝える。
「わかりました」
そう言って看護士は診察室の扉を少しだけ開けて顔を出すと「福本さ~ん、福本誠也さん、診察室にお入りください」
呼び出した看護士の後に続いて学生服の男の子が診察室に入ってきた。
「そこに腰かけてください」
右肘を押さえながら、その男の子は不安げに成美の前に腰を降ろした。
「やっぱり、肘をやっちゃってますね
この画像を見て…」
促されて男の子はモニターを覗き込む。
「ここ、ほら、切れちゃってるよね?わかる?」
「よくわからないです」
「右肘の屈腱が切れかかってるの」
「治るんですか?」
「手術すれば完全に治るけど…費用がかかるわよ」
「治るまでにどれくらいかかります?」
「そうね…一年から一年半かな?」
その完治までの期間を聞いて、男の子はガックリと肩を落とした。

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