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夜空に煌めくアラベスク
第2章 おうし座の女

病院に行くと、僕ちゃんが会計窓口で松葉づえをついて支払いに向かうところだった。

「僕ちゃん!入院するんでしょ?」

「いえ、骨折じゃないから、自宅で療養するように言われました」

「まあ!その足じゃ大変でしょうに…
でも、安心して、しばらくは私が寝泊まりして僕ちゃんの面倒を見るから」

そう言ってあげると、僕ちゃんこと遠藤明くんは安堵の表情を浮かべた。

「それはとても助かります
うちの田舎に連絡したら、今は収穫の時期なのでこちらに来れないと言われて…」

僕ちゃんの実家は長野県でリンゴ農園を営んでいる。
家業は兄が継ぐということで、彼は一人で上京してきて工務店に入社した。

「私をお母ちゃんだと思って、おもいっきり甘えてくれたらいいからね」

そう言って彼に肩を貸してあげて二人してタクシーに乗り込んだ。

彼の部屋は二十歳(はたち)そこそこの男の子にありがちな、とんでもなく散らかったままで、まさしくthe男部屋って感じだった。

「あらあら、洗濯物も何から何まで放ったらかしじゃないの」

そこに座っていなさいと彼をソファに座らせて、美由紀はせっせと部屋の片付けから始めた。

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