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2026 人質交換を託された女
第2章 大役
細長いレイアウトの部屋がパッと明るく映りこんでくる。入って左側には個人ロッカーが向かい合って並んでいた。女性たちは、そこに私服や私物を収めていた。お菓子をストックしている女性もいた。間仕切りのカーテンは左右それぞれ綺麗に畳まれていた。右側にはクリーニングを終えた服が掛けられるスタンドと、棚が見えた。壁際には小さな丸テーブルがあり、椅子が3つあり、談笑できるようになっていた。

ゆっくりとスタンドの方に歩いていった。ベストの胸ポケットからイヤホンを出し、再び耳にはめていく。そして他の場所でもしたように微かな声を発した。

「イヤホンが彼らにバレました…」
先程の出来事をすぐに先輩に知らせた。
「わかった…」と返事がきた。

「なぜ私が働いていたこと…漏れたんですか…?」
すぐに彼は、「分からない…」と答えていた。

「勤怠記録が閲覧されていたってことですよね…?」と私は先輩に尋ねた。
「記録を見ただけなら…顔は割れないだろう…」
と先輩が返してきた。

「誰か他にこれを聞いている人はいますか…?」と先輩に尋ねた。
「いない…音声と映像を見ているのは俺だけだ…」と返ってきた。
そこから2人の会話は続かなかった。

沈黙の中、何気なくハンガーに吊るされていた服を見つめていた。首裏に当たる位置にネームタグが取り付けられていた。そこに『吉村』と私の名が、小さな白い布にタイプされていた。シャツとベストだった。まさかと思い、棚の方を見ると、そこには私のスカートがあり、ネクタイまでクリーニングされていた。
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