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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第25章 《忍び寄る影》
──【2023年 夏(8月)】
大学生になって初めての夏休みは、驚くほど長く、そして甘美な停滞を2人に与えた。
8月。連日、容赦ない陽光がアスファルトを焼く中、優香は「友達と勉強してくる」「サークルの合宿がある」と実家に適当な理由を告げては、905号室へと足を運んでいた。
聡は、愛する優香に対し、何不自由ない生活を与えようとした。
「優香、欲しいものがあれば何でも言って。新作の服でも、バッグでも。君が大学で恥ずかしい思いをしないようにしてあげたいんだ」
しかし、優香は決して贅沢に溺れることはなかった。贈られた高価なアクセサリーは、聡の部屋にいる時だけ大切に身につけ、大学へは高校時代から使っている質素な持ち物で通い続けた。聡が渡そうとする自由に使っていいクレジットカードも、「私には、聡さんが作ってくれるご飯と、この部屋があれば十分だから」と、微笑んで受け取ろうとしない。
(なんて、いじらしい子なんだ……)
その謙虚さと慎ましさに、聡はますます彼女にのめり込んでいった。ただの「お気に入り」ではない。彼は、この少女を一生自分の傍に置き、いずれは「妻」として迎え入れることを、半ば確信を持って誓っていた。
だが、そんな蜜月の裏側で、静かに、しかし確実に「運命」の歯車は回り始めていた。
聡には、今も続けている習慣がある。
あの、公園を見下ろす監視モニターのチェックだ。マンションの管理人という立場上、敷地内と隣接する公園の安全を確認するのは彼の正当な仕事であったが、今の聡にとって、それは何よりも「愛する優香」が通る道の安全を確保するための、最も重要な職務となっていた。
ある週末の夜、優香が実家へ一時的に戻った後、聡は何気なく録画されたモニターの映像を遡った。
画面の中、夕暮れ時の公園を、軽やかな足取りで横切る優香の姿が映る。自宅から905号室へと向かう彼女の、どこか浮き足立ったその後ろ姿に目を細めた直後――聡の背筋に、冷たい氷が押し当てられたような戦慄が走った。
大学生になって初めての夏休みは、驚くほど長く、そして甘美な停滞を2人に与えた。
8月。連日、容赦ない陽光がアスファルトを焼く中、優香は「友達と勉強してくる」「サークルの合宿がある」と実家に適当な理由を告げては、905号室へと足を運んでいた。
聡は、愛する優香に対し、何不自由ない生活を与えようとした。
「優香、欲しいものがあれば何でも言って。新作の服でも、バッグでも。君が大学で恥ずかしい思いをしないようにしてあげたいんだ」
しかし、優香は決して贅沢に溺れることはなかった。贈られた高価なアクセサリーは、聡の部屋にいる時だけ大切に身につけ、大学へは高校時代から使っている質素な持ち物で通い続けた。聡が渡そうとする自由に使っていいクレジットカードも、「私には、聡さんが作ってくれるご飯と、この部屋があれば十分だから」と、微笑んで受け取ろうとしない。
(なんて、いじらしい子なんだ……)
その謙虚さと慎ましさに、聡はますます彼女にのめり込んでいった。ただの「お気に入り」ではない。彼は、この少女を一生自分の傍に置き、いずれは「妻」として迎え入れることを、半ば確信を持って誓っていた。
だが、そんな蜜月の裏側で、静かに、しかし確実に「運命」の歯車は回り始めていた。
聡には、今も続けている習慣がある。
あの、公園を見下ろす監視モニターのチェックだ。マンションの管理人という立場上、敷地内と隣接する公園の安全を確認するのは彼の正当な仕事であったが、今の聡にとって、それは何よりも「愛する優香」が通る道の安全を確保するための、最も重要な職務となっていた。
ある週末の夜、優香が実家へ一時的に戻った後、聡は何気なく録画されたモニターの映像を遡った。
画面の中、夕暮れ時の公園を、軽やかな足取りで横切る優香の姿が映る。自宅から905号室へと向かう彼女の、どこか浮き足立ったその後ろ姿に目を細めた直後――聡の背筋に、冷たい氷が押し当てられたような戦慄が走った。

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