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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第24章 《成熟の季節》
──【2023年 春〜夏】

桜の舞う季節が過ぎ、新緑が眩しく輝く頃、優香は内部進学した星嶺女子大学での生活をスタートさせていた。
キャンパスが変わっても、優香の美しさは注目の的だった。他校の男子学生から声をかけられたり、サークルの勧誘という名目で食事に誘われたりすることも珍しくなかったが、優香の心が揺らぐことは微塵もなかった。

(……子供ね)

同年代の男子たちの幼い誘い文句を聞くたび、優香の脳裏には905号室で待つ、あの成熟した彼氏の姿が浮かぶ。彼に比べれば、他の男など背景の石ころも同然だった。

当初、2人の関係は「秘密の共有者」に近いものだった。しかし、優香が大学生になるのを機に、聡の方から「恋人として、正式に付き合おう」と告白したのだ。優香は涙を流してそれを受け入れ、今では2人は名実ともに「彼氏と彼女」として時を重ねていた。

平日の放課後。優香は講義が終わると、吸い寄せられるように聡のマンションへと向かう。平日は家からの通学であり、夕食の時間までには実家に戻らなければならない。だが、だからこそ2人の時間は、以前にも増して熱狂的なものへと変貌していた。

「聡さん、ただいま」
「おかえり。今日も大学、お疲れ様」

玄関で優しい彼氏に出迎えられ、交わす口づけ。リビングに入ると、優香はダイニングテーブルにノートパソコンと資料を広げるのが日課になっていた。

「大学のレポート、ここなら集中して書けるんだもん。お家だとお母さんに呼ばれたりしちゃうし」

カタカタとキーボードを叩く優香の横で、聡は静かに本を読んだり、夕食の準備を始めたりする。1人暮らしが長かった彼の作る料理は繊細で、優香の胃袋を掴んで離さなかった。

「おいしい……。聡さん、本当にお料理上手だね」
「優香がそうやって喜んで食べてくれるのが、1番の幸せだよ」

そんな睦まじい会話を交わし、食後の洗い物を一緒にこなす。週末には優香もキッチンに立ち、聡のために不慣れな手つきで料理を振る舞う。外泊の口実を作って泊まり込む週末は、もはや同棲に近い、穏やかで甘い生活だった。
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