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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第10章 《焦らしの報酬》
優香の嗜好が書かれたメモを受け取って、ちょうど半月が経った金曜日。

「やっと届いたか」

宅配便で届いた小包を開封し、聡は満足げに頷いた。
ネットオークションで競り落とした、廃盤の稀少本。
タイトルや表紙の過激さだけでなく、女優の表情や構図が「美しい」と評判の一冊だ。

「長かったね。でも、待たせた甲斐はあるはずだよ」

聡は丁寧に封筒に入れ、メッセージカードを添えた。
文面は何度も推敲した。
決して「見ている」ことを悟られないよう、あくまで文字から推測したという体裁を崩さずに。

   ◇

その日の夕方。
優香は半ば諦めムードで公園に足を踏み入れた。

どうせないだろう。
そう思いながらベンチに視線を向けた瞬間、心臓が跳ね上がった。

(あっ……!!)

あった。
見間違いようのない、あの白い封筒が。
しかも、今まで見たこともないような厚みがある。

優香は周囲を気にする余裕もなく、ひったくるように封筒を回収した。
その瞬間、指先に硬い感触が伝わる。
雑誌の間に、何かが挟まっている。

優香ははやる気持ちを抑えきれず、その場で少しだけ中身を覗いた。
挟まっていたのは、あのプリント用紙だった。

『遅くなってごめんね。
 君の文字を見て、ハッとしたよ。君はたぶん、女の子だね?
 今まで男の子だと思って適当な本を置いていたのが恥ずかしいよ。
 女の子だとわかった以上、もっと綺麗な写真が載っている本じゃないとダメだと思って、探し直すのに苦労しちゃった。
 でも、頑張って探したから、きっと満足してくれると思う』

(私の文字を見て……女の子だって……?)

優香の胸がじわりと熱くなった。
この人は、私を見ていたわけじゃなかったんだ。
ただの偶然で、文字を見て初めて私が女の子だと気づいて、それで私のために半月もの間、必死に探してくれていたのだ。

(よかった……見られてたんじゃないんだ……)

ストーカーではないという安堵と、自分のために尽くしてくれた感謝。
そして、待たされたことによる爆発的な期待。
優香は封筒を抱きしめるようにして、全速力で家へと走った。
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