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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第21章 章間⑦
結奈は陽翔の待つ家に向かった。
いつもは勝手に開けるのにインターフォンを押して返事を待った。
昼間は起業の為にいろいろと歩き回っていた。
だからパンツスーツという格好だった。
謝罪といった話になるのだ、この方が都合がいいと思って着替えなかった。
「いらっしゃい…どうぞ…」
「え、あ?…義兄さん……」
声の主は義理の兄だった。
ドアを開けてくれたのも義兄だった。
「戻ってらしたんですね…すみませんこの度は……」
「急に本社に報告することがあってね……まぁ、さっき聞いたよ…二人とも待ってるから…さ、上がって…」
義兄はいつも通り穏やかな口調だった。
靴を脱いで義兄の後ろを歩いていく。
リビングに入ると、奥のダイニングテーブルに姉と陽翔が座っていた。
「お邪魔します……」
声をかけると背中を向けていた陽翔が立ち上がった。
「結奈さん……」
どこか泣きそうで…すこし嬉しそうな複雑な表情をしているように思えた。
結奈は控えめな笑みを向ける。
姉はやはり怒っているように思えた。
柔和な姉がここまで怒るとはちょっと驚きだった。
姉の秘密などこの時は知る由もないのだから。
義兄が姉の隣に腰を下ろすと、陽翔も持ち上げた腰を下ろした。
結奈は立ったまま、深々と頭を下げていく。
「本当に急でごめんなさい…でもね、私も仲間と忙しくなるの…だからすれ違いもあって、ちゃんと陽翔にも話せなかったけど解ってほしいの……」
「立ってないで座って……」
姉がようやく口を開いた。
結奈は陽翔の横に腰を下ろした。
「陽翔…結奈ちゃん今度会社を作るんだって、母さんから聞いてるだろ…」
義兄が穏やかに話し始めると姉が口を挟んだ。
「陽翔だって解ってるわよ…なんで電話1本で辞めようとしたの?…私はそれを怒ってるの……」
「感情的になるなって…」
義兄が宥めてくれる。
結奈は姉ではなく、陽翔の方に向けて語りかけていく。
まさか本当のことなど言えるはずもない。

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