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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第16章 アトリエ

それは先輩の覚悟のように思えた。
一枚一枚、焦らすことなく順々に一気に布が外されていった。

「………………」

言葉も息も失っていた。
そして視線は釘付けとなっていた。
先輩の語りかける声が聞こえる。
あまりに集中し過ぎて、頭の中から聞こえるようだった。

「…これは…私がモデルになった絵です……作者は私の伯父です……」

左端の絵は裸の女性が跨がっている。

【油絵…なのに……】

跨がる女性が上下に弾んでる……いや、突き上げられているかのように…視えた。

「あなたが戸惑うのは無理もありません……私も最初はそうでしたから……今日みたいに両親が不在で家政婦も不在の時はいつもここで伯父に絵を教わっていました……」

真ん中の絵は裸の女性が… 吊るされている…。
両手は吊るされ明らかに重力を感じさせる。
それなのに割り開かれた両脚は宙で跳ねているように感じた。

「ある日…優しかった伯父が私に質問をしたんです……『お前に…画家になる覚悟はあるのか?…』…と…。 私は伯父の描く絵がとても好きでした…。両親の居ない時ここで遊ぶのが好きで…いつの間にか絵を学ぶようになったんです……覚悟があるのかと聞かれ……私はあると答えました……」

右端のは後ろ姿の絵だった。
片腕を後ろに伸ばし、振り向いている。
裸の女性が四つん這いとなりお尻を突き上げていた。
髪が降り乱れている…その毛先までもが舞い踊っていて、
激しさが伝わってくるようだった。

「それからというもの…私は伯父のモデルをするようになりました……初めて裸のデッサンをされた時は凄く恐かったんです……やめてほしいと泣き叫びました……『お前の覚悟は偽物なのか…』と罵られ…逃げようものなら縛られ拘束されました……もちろん、伯父に初めてを奪われた時は…絵なんて辞めてしまおうと誓いました……」

【凄い…】

陽翔は魅入られていた。
どの絵も上手いとか…リアルとか…そんなんじゃない。

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