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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第16章 アトリエ
先輩の指が絡んできて、陽翔の人差し指を起こした。
先輩は瞳を隠したまま…
「触れて…確かめてください……」
導かれるように人差し指が柔らかな薄い唇に触れる…。
…ごくっ…… 息を飲んだ。
先輩の力を借りるように、指先が唇をなぞっていく。
真ん中から右へ…そして下唇を戻るように左へ… 上唇を真ん中まで戻っていく。
薄い唇から漏れる吐息に指が湿り気を帯びていく… 気がした。
「もう一度…描いてみてください……」
「は、はいっ…」
上ずった返事をして、鉛筆を拾い上げた。
【なんで?…こんなこと…本当に?…】
鉛筆が止まる。
【そうじゃない…ここはもう少し柔らかい感じ…】
触れた感触を思い出しながら、最後に指先で陰影をつける。
ページの中にある隣の唇とは別物だった。
「…部長……描けました…」
先輩はスケッチブックの上から覗き込んできた。
「これが…藤沢くんの感じた私の唇…なんですね……」
「どうですか?…」
緊張して返事を待った。
「…私もわたしの唇をこんな風に視たことはありませんから……でも…絵としては…素敵です……なんだか…照れてしまいますね……」
「あ、ありがとうございます…」
素直に嬉しかった。
そして完全に勃起していた。
それとなくスケッチブックで隠す。
【気付かれてないよな…部長は僕のためにしてくれてるんだ…こんなのバレたら変態扱い決定だ……でも、なんでここまで……】
後輩として期待をしてくれているのはなんとなく感じる。
絵の為なら、唇に触れさせることくらい平気と思っているのだろうか…。
【でも…これ以上はやっぱり想像するしか……】
そんなことを考えていると先輩が…
「少し…休憩しましょうか……プリンを一緒に食べませんか?……」
もっと描きたいと思っていた。
先輩の唇を描いた感触は陽翔自身を昂らせていた。 それは決して邪な意味じゃない。
描き手として、部活じゃ感じることのなかった何かを掴みかけているように思えた。
「そうですね…はい…休憩にしましょうか…」
それでも生理的な変化はやはり落ち着かせておきたかった。
陽翔は先輩の提案を了承した。

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