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O……tout……o…
第1章 おとうと
 13

「あぁ、あ、あーちゃん…」
 しんちゃんは呆然とした表情で掠れた、絶望的な声を…
 いや違う、昂ぶりの声。

 わたしは慌てて腕を振りほどき、横へと逃げると…
「え、あ…し、しんちゃん…」
 真っ先にわたしの目に…
 その未知の感触の正体であるしんちゃんの股間が…
 いや…
 それは想像だにしたこともない、とてもあのかわいいしんちゃんからは想像もつかない…
 そして初めて生で見た、成長した男の…
 ううん、とてもしんちゃんには似つかわしくない…
  勃起し、猛々しく脈打ち、震えているペニスが飛び込んできたのだ。

 そして慌てて目を逸らすと…

 しんちゃんの握り締めているピンク色の布地が、いや、わたしのピンクのパンティが目に入り…
 
「え、あ、そ、それ…」
 と、思わず呟いたその瞬間、また…

 ガラガラッ、ドッ、ドドーンッ…
 更に激しい稲光と、強い揺れの震動を伴う雷鳴の轟音が響き渡り…

「キャアァァァっ………」
 と、悲鳴を叫び…
 また再び意識に、しんちゃんに抱き付いていってしまった。

 本当に雷鳴の轟音が怖かった…
 一瞬にして、そんなしんちゃんに対する動揺なんて吹き飛んでしまっていた。

 そして再びわたしは…
 ベッド上で下半身裸で横になっているしんちゃんを上から抱き付いたカタチとなってしまったのだ。

「あ、あーちゃん……」

 ガラガラ、ビシャーン、ゴロゴロ…

 激しい雷鳴の響きは止まらない…

「し、しんちゃん…」
 わたしは恐怖に無我夢中でしんちゃんに抱き付き、いや、夢中にしがみついていく。

「あ、あーちゃん……」

 その時、わたしは恐怖で目を瞑っていたのだが…
 何かが、唇に触れてきたのだ。

 あっ、えっ?…

 なに?…

 ゴロゴロ、ドドーンッ…

「ひぃっ」
 わたしはビクっと震え、叫びを上げた、いや、叫んだつもりだったのだが…

 えっ…
 き、キス?…
 唇を押し付けられているの?…

 そう想った瞬間であった、ギュッと強く抱き締めてきて…

『えっ、あ、あぁ…』
 ヌメっとした熱く、何か柔らかな感触が、唇を割って入ってきたのだ。

 え、し、舌が…
 わたしはキスをされているの?…

 そう実感した瞬間であった…

 ドキドキドキ…

 一気に胸が高鳴り、心が昂ぶり…
 カラダ全体が熱くなってきた。



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