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第1章 酔ってる時の健造さん

いいから、いいから、
いやー、すがちゃん、食いつきそうな目で、この間の話聞いていたからねー

健造さんは「見りゃ分かる」の一点張り

ビデオの中身は、教えてくれない。

それでも、ビデオ鑑賞のてびき（？）として、視聴前の場面設定についてだけ教えてくれた。


やはり、Sさんだ。
この後、Sさんのことを、麻衣ちゃん（仮名）と呼ぶことにする。

健造さんは、麻衣ちゃんのことを、密かに狙っていたようだ。

何かと機会を作って、行事の度に麻衣ちゃんと話たり飲んだりするチャンスを作った。

それも、自然に…
麻衣ちゃんは健造さんのことを親切なオジさんと思って、いろんな話ができる仲になっていたらしい。

その日、行事の後に、健造さんは麻衣ちゃんを含めた女子職員たちをクルマで送っていった。

健造さんがすごいのは、女の子を何人か送って行く経路を計算して、最後に麻衣ちゃんと二人っきりになるところ。
送り狼だ。

そうして、クルマの中は、少し酔った麻衣ちゃんと健造さんの二人きりになる。