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終わりの温もり、始まりの愛
第9章 朝焼けの決断
窓の外に薄紅色の朝焼けが広がっていた。
部屋にはまだ昨夜の温もりが残っている。
二人は寄り添いながら、沈黙の中で新しい一日を迎えた。

「これから、どうする?」
誠一の声は優しくも重く響いた。

由紀子は深く息を吐き、視線を落とす。
「離れることは変わらないけど…」
彼女の言葉は途切れがちで、どこか迷いがあった。

「お互いを大切に思っていたことは、嘘じゃなかった」
誠一はそう言って、彼女の手を握った。

離婚という決断は変わらない。
でも、二人の心には消えない記憶と感情が刻まれたままだった。

朝の光がふたりの未来を優しく包み込み、
新たな一歩を踏み出す力を与えているようだった。

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