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微熱に疼く慕情
第11章 【普遍的な真理】





すると優しく額をくっつけてきた



「ごめん、悩まないで?わかってるよ、一華のタイミングで良いし言いたくないなら隠したままで全然良い……こうして、一華を独り占め出来るだけで幸せだよ、断ってるってわかってるのに焦ってしまった、器小せえ……俺」


「私こそ、不安にさせてごめんなさい……」



形だけでも謝らないと丸く収まらないかな
汐らしい態度が一番効果的



「会社でこんな事するの一番嫌がってたのに、余裕なくて約束破ってごめん」


「今回は…うん、私も嫉妬させちゃったってのもあるので、次からはお家帰ってからね?」



ネクタイを直してあげながらの上目遣いは最強なんでしょ?
「うん…」って本当にちゃんと納得した?
わかってる、何を求めているのか
早く戻らないと…だけど、こんな顔されたら許してしまうよ



欲しいの?欲しいんだよね
このままじゃ帰れないって顔するの、ズルい
踵を上げて私からキスをする
誰も居ない会議室
気配を消しながら重なり合う
納得して不安を消し去ってあげないと機嫌は直らない
私に嫌われるのが嫌で謝ってみるけど
根底では全然納得してないもんね…?
ごめんね、公表はしたくないの
捨てられない限りは関係を続けるけど
あなたはずっと、彼氏のままだと思う
それ以上でもそれ以下でもない



お尻を撫でてきた手を止めた



「ダメ……会社だよ?」


「う、うん、ごめん」


「んふふ、これで我慢して?残りの仕事、頑張れる?」


「うん、頑張る……今日、家に行っても良い?」


「彼氏なんだから遠慮せずおいでよ、少し残業になると思うけど、終わったら連絡するね?」



わかりやすいくらい機嫌直っちゃったよ
やっとだ、この停滞した分の作業は帰ったら2倍速にて処理しなければならない事を今後は理解してくれると助かるんだけど……ていうか、こういう事をさせないように持っていかなきゃだね




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