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微熱に疼く慕情
第3章 【甘く麻痺していく心情】





さて、私にはまだやらなきゃいけない事がある
今から帰って、シャワー浴びて、メイクして出勤しなきゃならないんだけど、家に向かう時間帯でもう後回しにしちゃいけない優先事項があるの
この時間だとまだ寝てるだろうな
でも昨日はきっと、一晩中、待っててくれたんじゃないかなって思うから……



一応、先輩がシャワー浴びてる時に彼が誤解しないようにメッセージは送っていた
近いうちに会うようセッティングする
遅れてだけどOKの返事が来てホッとした
忙しい合間を縫っての逢瀬は私に活力をくれるよ
辛いとか疲れるとかは思わない
日々の疲れを取り除く為に会うんだから
寧ろ、待たれてる方がこっちも潤う



可愛いワンコが鳴いて抱き着いてくるの
寂しかった…って私から離れない
会社からは遠く離れたホテルで落ち合った



「昨日はごめんね、ああするしかなかったの」


「わかってます……わかってるけど、あの人、本当に先輩なだけですか?」


「心配…?本当によくしてもらってる先輩だよ、尊敬はしてるけど樹くんが心配するような仲じゃないよ?」


「もしあの時、僕の事スルーされてたらって思うと怖かった……でも一華さんはすぐに僕の元に来てくれたからそれは嬉しかったです」



ソファーに座る私の足元で、本当にワンコみたいに膝に顎乗せて話すんだもん
ほら、こっちおいで?隣に座りなよ、と促す
ギュッと抱き締めて私からキスするよ



「会社での立ち位置もあるから余所余所しくはなっちゃうんだけど、今こうして樹くんの目の前に居る私が本当の私だから、それだけは信じてくれる?」


「勿論です、いつも綺麗な一華さんだからそりゃ時々心配にもなります、昨日のは尚更……でも信用してないとかじゃないです!信じてます!」





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