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女旅芸人衆の淫ら旅
第1章 第一章 医は妊術なり
長い行列がゆっくりと動き始め、
やっと女芸人一座の番がやって来た。
「わたくしどもは怪しい一座ではございません
れっきとした雑技の一座でございます
先日も神戸港にて芸を披露いたしまして、
わたくしどもの芸を誉めてくださった勝海舟先生さまから全国津々浦々何処に行っても良いという手形をいただいております」
一座の年増のおなごは、懐から仰々しく一通の書簡を取り出し、
関所の役人に「ほれ、この通り」と見せつけた。
「なんと!勝海舟先生のお墨付きとな?」
役人の面々が色めき立った。
それほどまでに勝海舟というお侍の名前は効果があった。
「うむ、間違いなく勝海舟先生の署名捺印が施されておる…
しかしながら、そこの男とおなごは他の面々と装束が異なるようだが?」
そう、一座の面々は、皆揃いの装束に身を包んでいたが、
当然の事ながら良案とお瞭は急ごしらえで一座に加わったものだから彼女たちとは服装が異なっていた。
「ええ、二人は芸をするわけではござんせんから、
この二人は怪我をした座員の手当てをする当座お抱(か)えの医者でございますゆえ」
「なんと?その方は医術を心得ておるのか?」
役人の一人がグッと身を乗り出して
「その方、もっと近(ちこ)う寄れ」と良案を手招きした。
緊張しまくっている良案は、すぐさま立ち上がることも出来ない。

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