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心の中のガラスは砕けて散った
第8章 綾乃と綾

「 2階に行きましょうか 」
和彦に連れられ 階段を上がりオフィスに
「 菅原さん 明日から働く成田さんです 」
和彦は デスクでパソコンを見つめる女性に声を掛け
160位か ミディアムショートの髪で振り向き目を丸くして
「 綾乃ーーー!! 」
立ち上がり、手を握って来た
「 細川先輩!! 」
高校時代の先輩 突然の出会いに綾乃は
手を握り合ったまま、言葉を失った
「 明日から? 」
小太りの菅原が聞き、頷く綾乃に笑顔で
「 大丈夫!! 皆に紹介するから 」
菅原に手を引かれ 綾乃は事務所の中を回った後
更衣室に、制服を手渡され、ロッカーを決められて
自分用のロッカーに制服を仕舞い、綾乃は大きく
息を吐き出す姿に、菅原が綾乃の目を覗き込み
「 大丈夫? 」
心配そうに覗き込んで来た
「 エッ!! 大丈夫です、只 余りに早くて・・・
今日社長と面接して、質問されるかと思ったら
明日からと言われて、そうしたら 細川先輩が 」
「 今は、菅原!! 旦那が九州に転勤に成るから
今日で終わりなの、旦那、向こうの営業所長の辞令が
出て、最初単身するって、旦那が言ったの でも
2重生活したら 生活大変でしょう、それに子供達
大きいと言っても、父親が傍に居るのと、居ないのでは
違うし、私も旦那、傍に置いて置きたいし、浮気されたら
嫌でしょう 」
笑い顔で綾乃の目を覗き込んだ

