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やっと、逢えた
第2章 待てど暮らせど
「珍しいな。
最近、ちっとも夕食の時間には家に居ないようだったし、
病院にも来ないからな」

チクリと上品な顔で嫌味を言われる。


俺は肩を少しすくめて、

「申し訳ありません。
明日から病院には行くようにします」と答える。


「それで、まだ見つからないらしいな。
それは縁がなかったってことなんじゃないか?
ほら。
あんまり極上というわけではないけど、
藤原の処の末娘の…名前は忘れたが、あの娘でも嫁に迎えたらどうだ?」


「嫌ですよ。
あんなコドモ」と吐き捨てるように言うと、

「お前は私に似て、
巨乳好きだからな。
でも、コドモに近くないと、
今時、生娘なんて居ないだろう」と、
涼しい顔で笑う。



「巨乳って…。
俺はそんな…」

「サガシビトは、巨乳だったのかな?」


…巨乳?
いや、そんなこと、覚えてないし、
見てもいなかった。
なんなら、顔だって覚えてない。

ただ、確かに傘を差し出してくれた時に俺の肘に当たっていた胸は、
ふっくらしていたように感じた。



「そうか。
図星か。
巨乳だったんだな?」


俺は食後の小さなグラスを手にすると一気に飲み干して、

「失礼します」と立ち上がって部屋を出た。

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