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雨が好き
第64章 桜

バドミントンをしているときの生き生きとした動き、
昼休み、ひとりで中庭のベンチで座って文庫本を読んでいるときの眼差し、
図書館での受験勉強に飽きて、窓の外をぼんやりと眺めているときの横顔。
渡り廊下での告白以来、笹屋先輩と話すことはなかった。
6月には彼女は部活を引退して、卒業まで、僕は彼女を遠くに見る以上の接触をすることはなかった。
そして、卒業式
真っ青な空を背景に、満開の桜がハラハラと花びらを散らしていた。
校門では、別れがたいのか、あちこちで生徒たちの輪ができていて、校門や『卒業式』という立て看板の前で写真を撮ったり、おしゃべりをしていた。
僕も男子バドミントン部の先輩に挨拶をするために校門に来ていた。
視線がふらりとさまよい、自然と笹屋先輩を探していた。
「たっかつっきくん!」
ぽんと後ろから肩を叩かれてビクッとする。
弾むような声で僕の名を呼んだのは、笹屋先輩だった。
多分、10ヶ月ぶりくらいに話す。
「今年、受験だね・・・頑張れ」
そう言って、にこりと笑った。
昼休み、ひとりで中庭のベンチで座って文庫本を読んでいるときの眼差し、
図書館での受験勉強に飽きて、窓の外をぼんやりと眺めているときの横顔。
渡り廊下での告白以来、笹屋先輩と話すことはなかった。
6月には彼女は部活を引退して、卒業まで、僕は彼女を遠くに見る以上の接触をすることはなかった。
そして、卒業式
真っ青な空を背景に、満開の桜がハラハラと花びらを散らしていた。
校門では、別れがたいのか、あちこちで生徒たちの輪ができていて、校門や『卒業式』という立て看板の前で写真を撮ったり、おしゃべりをしていた。
僕も男子バドミントン部の先輩に挨拶をするために校門に来ていた。
視線がふらりとさまよい、自然と笹屋先輩を探していた。
「たっかつっきくん!」
ぽんと後ろから肩を叩かれてビクッとする。
弾むような声で僕の名を呼んだのは、笹屋先輩だった。
多分、10ヶ月ぶりくらいに話す。
「今年、受験だね・・・頑張れ」
そう言って、にこりと笑った。

