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天狐あやかし秘譚
第124章 二転三転(にてんさんてん)
踵を返すように振り返った。その先には本陣の本営・・・つまり烏丸たちが詰めている場所が真っ直ぐに見通せるようになっていた。
その瞬間、鞍馬山の方角にまるでフラッシュを焚いたかのような光が走り、地響きにも似た振動が大地から湧き上がった。
「まずいです!天狐が鞍馬山に入ってしまった・・・!」
御池が色を失っていた。なにやらとても焦っているように見える。
なにかよくないことが起こっているようだ。そして、『一体何があったの?』と聞くために私が口を開こうとした瞬間、ゾワリとした気配が一気にあたりに満ち溢れるのを感じた。
これは!?
この感触には覚えがあった。
河西佳苗が女怪を導いた時に感じた身体の芯を凍らせるほどの怖気
緋紅が何もない空間から突如現れた時に感じた強い恐怖心
そうだ・・・これは・・・これは!
この空間に満ちる瘴気とでも呼ぶべき気配は私に最悪の敵の到来を知らせてきた。
「これは・・・道返玉(ちがえしのたま)!?・・・まさか緋紅!?」
空間が割れる音が、本陣に響き渡った。
「烏丸様!」
御池と私が本営にたどり着いていたときには、すでに戦闘が始まりそうだった。本陣前の森の奥に深い闇のわだかまりがある。そこから湧き上がる圧倒的な瘴気は生けとし生きるもの全てを拒んでいるかのような凄まじい負の波動を放っていた。
烏丸が神社の神主が持っているような稲妻形の紙が幾重にも垂れ下がっている棒状の呪具、大幣(おおぬさ)を右手に、左手に数枚の符を携え、油断なく身構えている。それ以外にも、本陣本営を中心としてお椀状の陣形を取り、20人近い陰陽師がそれぞれの呪具を手に戦闘態勢を取っていた。
鞍馬山の方でゴウとなにかが増幅し、弾ける音が聞こえる。その音を合図にしたかのように、こちらにも変化があった。
その時、闇がざわりと蠢いた。
緋紅が来る!?
私もまた固唾を呑んで見守る。私自体には戦闘能力がない。なので同じく戦闘にあまり長けていない御池といっしょに後ろに引っ込んで見ているしかないわけだが・・・。
「陰陽師の皆さん!こんにちわ〜・・・あ、いやいや、おはようの方がいいのかあ?」
え?・・・これって?
その声は全く聞き覚えのない声だった。
闇の中からソイツは現れる。
その瞬間、鞍馬山の方角にまるでフラッシュを焚いたかのような光が走り、地響きにも似た振動が大地から湧き上がった。
「まずいです!天狐が鞍馬山に入ってしまった・・・!」
御池が色を失っていた。なにやらとても焦っているように見える。
なにかよくないことが起こっているようだ。そして、『一体何があったの?』と聞くために私が口を開こうとした瞬間、ゾワリとした気配が一気にあたりに満ち溢れるのを感じた。
これは!?
この感触には覚えがあった。
河西佳苗が女怪を導いた時に感じた身体の芯を凍らせるほどの怖気
緋紅が何もない空間から突如現れた時に感じた強い恐怖心
そうだ・・・これは・・・これは!
この空間に満ちる瘴気とでも呼ぶべき気配は私に最悪の敵の到来を知らせてきた。
「これは・・・道返玉(ちがえしのたま)!?・・・まさか緋紅!?」
空間が割れる音が、本陣に響き渡った。
「烏丸様!」
御池と私が本営にたどり着いていたときには、すでに戦闘が始まりそうだった。本陣前の森の奥に深い闇のわだかまりがある。そこから湧き上がる圧倒的な瘴気は生けとし生きるもの全てを拒んでいるかのような凄まじい負の波動を放っていた。
烏丸が神社の神主が持っているような稲妻形の紙が幾重にも垂れ下がっている棒状の呪具、大幣(おおぬさ)を右手に、左手に数枚の符を携え、油断なく身構えている。それ以外にも、本陣本営を中心としてお椀状の陣形を取り、20人近い陰陽師がそれぞれの呪具を手に戦闘態勢を取っていた。
鞍馬山の方でゴウとなにかが増幅し、弾ける音が聞こえる。その音を合図にしたかのように、こちらにも変化があった。
その時、闇がざわりと蠢いた。
緋紅が来る!?
私もまた固唾を呑んで見守る。私自体には戦闘能力がない。なので同じく戦闘にあまり長けていない御池といっしょに後ろに引っ込んで見ているしかないわけだが・・・。
「陰陽師の皆さん!こんにちわ〜・・・あ、いやいや、おはようの方がいいのかあ?」
え?・・・これって?
その声は全く聞き覚えのない声だった。
闇の中からソイツは現れる。

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