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第39章 熱



 相馬に優しく押し倒されて、仰向けにされた。
私を真上から見下ろす相馬は、カーテンの隙間から薄く漏れる街灯の光で見る限り、とても真摯な目をしていた。

 そのまま相馬が動かないので、不安になって声を掛ける。



「……相馬?」

「あー」



 相馬は声を漏らして、私の肩に置いた手に力を込めて、言った。

「ごめん、ちょっと浸ってたわ」

「何それ」

「何というか――ここまで来たなと思って」



 ……何、それ。



「触るよ」

 相馬が私の下に、指で優しく触れる。
そこはまだ熱くて敏感で、触れられた瞬間にびくりと体が震えた。

「感度良好」

 相馬がにやりと笑って、私の胸に吸い付く。


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