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unbalance
第38章 いたばさみ

けど、
「霧野が無理なら無理にとは言わないよ」
ティッシュをゴミ箱に放り投げ、俺は再びベッドに上がった。
霧野を後ろから抱き締める。
「今日はもうこのまま寝る?」
霧野はこちらを振り返ろうと首を回す。俺が腕の力を緩めると、体も捻って、ようやく目が合った。
十センチもない距離で。
その潤んだ瞳に吸われるように、俺は彼女にキスをした。
あ、しまった、これも駄目なやつか、
「しよ」
霧野が小さな声で言う。
俺の体がびくりと震えた。
いつのまにか霧野が手を伸ばして、後ろ手に俺の息子を握っていた。
……そんなふうにしてくれなくたって、まだ固いよ。
「いい?」
俺の最終確認に霧野が頷いたのを確かめて、俺は霧野を強く抱き締めた。

