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ママ活
第4章 愛しのお姉様と姫とママ
 
 土曜日の午後。

 百貨店のコスメ売り場を歩いていた時、にわかに亜純が、明咲の螺旋を描いた髪を指に掬った。


「トリートメント、いつものと違う?」


 ゴールデンウィークも間近の街は、混雑している。
 そのため今も肩が触れ合うくらいには密着していた分、髪質の変化は観察しやすかったのかも知れない。


「手触りも違う。さらさらだー」

「分かったんだ?期間限定のスパイシーフローラル。流すタイプなんだけど、そんなに残ってるかなぁ」

「明咲は、元々良い香りするからね。あたしの鼻が、センサー働くのかも」

「それって、下手な香水つけられないじゃん」


 目を閉じていても辿り着けるほど通い慣れた、JILL STUARTの直営店。

 明咲は整理番号を受け取って、期間限定商品のディスプレイを冷やかし程度に眺める。

 あっという間に順番が回ってきた。
 補充が必要になった定番アイテムの品名を伝えて、店員が梱包のために奥へ向かうと、ふと、同僚の顔が明咲の脳裏を掠めた。
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