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ママ活
第6章 幸せにしてくれるのはママ?
そんな佐和子の起き抜けは、昼間の彼女からは想像つき難いことにぐずり気味。
結果、今朝は明咲も道連れになり、キッチンに立てなくなったのだ。
亜純とは、未だ会えていない。
その間、存外に、明咲は佐和子に満たされていた。
破格のランチ代は保留にして、明咲は佳歩と食堂を訪ねた。
例の従業員の影響か、賑わっている。
食券売り場で、議論する。
何を頼めば噂の従業員の腕を確かめられるか。
結果、二人が決めたのは同じメニューだ。
「シンプルこそ誤魔化しにくい。焼き魚定食は、判断材料が揃っているわ」
「そう言えばお母さんも、白米の炊き加減だけは最高だったな」
「自炊出来る人だったの?今、人物像ぶれたかも」
行列も半分ほど進んだところで、つと、明咲は実家にいた時分を思い出した。
すれ違った二人組の会話が、明咲に綺美果を連想させたのだ。
彼女ら曰く、食堂の白米も美味しくなったらしい。…………
「いらっしゃいませ、お疲れ様です!福田さん、ちくわの磯辺揚げ、おまけしておきます。内緒ですよぉ?」
「覚えていて下さったんですか、僕が磯辺揚げ好きなこと……」
「お姉さん、味噌汁、大盛りお願いします。お姉さんが仕込んだんでしょ?奥さんに教えてやって欲しいな。この味噌汁、最高です」
「森口さん、そんなこと言ったら奥さんが可哀想です。でも、レシピは渡しておきますね」
「お姉さん、私にもレシピ下さい。豆腐ハンバーグが良いです」
受け渡し口が近づいてきた。
噂は事実だったようだ。
話題の中心人物は、早くも常連社員達の顔と名前まで把握している。
「二名様、焼き魚定食ですね、お待たせしまし──…」
明咲を見るなり、カウンターにいた三角巾を被った女が言葉を失くした。
数秒遅れて、明咲もおそらく彼女と同じ表情になった。
「お母、さ、……」
「あら、明、咲……」
「えっっ!!?」
仰天したのは、佳歩だ。
はたとした様子で俯いたところからして、彼女自身、自分の声に驚いたのだろう。

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