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A crescent moon
第12章 再起

奇跡というか、高坂さんのフォローのおかげで特に怪しまれることなく、私たちは控え室に着いた。
「…ね、ねえやっぱり…」
ヨシキを見上げると、にやりとしてヨシキがかまわず扉を開けた。
「ヨシキおせーぞ!」
(この声は…)
中から聞こえてきた声に顔を上げると、ソコには本物のカズがいた。
「か、カズだ…」
カズはヨシキにしがみついている私を見ると、きょとんとしてまたヨシキを見た。
「この坊主、だれ?」
「ぼ、坊主…」
高坂さんが笑いを抑えながら反復した。
ヨシキが私を引き寄せ、中に入る。
ソコではAddictive Deathのメンバーがそろって私たちを不思議そうに見ていた。
カズさんが近づいてきて私を覗き込む。
そしてアッと声を上げ、あっさりと私のキャップを外してしまった。
「…女の子じゃーん。」
「なんだよ、ヨシキの女ぁ?」

