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第41章 それぞれの想い

　だが、利口な彼は今は何も訊かない方が賢明だと判断し、世子の後を守るようにーまさしく影のようにぴったりと付いてゆく。




　内官が〝王の影〟と呼ばれるのは、何か変事がありし時、最後の楯となって王を守るという意味と、今一つは文字通り影のごとく存在しないものに徹せよという戒めもあった。



　去勢して男ではなくなった内官、それが彼らに課せられた哀しい役目であり宿命であった。




　もしや男である桂花に本来の性を捨てて女としての生を期待するのは、それ以上に酷いことなのかもしれない。