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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
そんな彼であってみれば、男としての人生をきれいさっぱり捨て去り、完全な女になるのがどれだけ酷いことかは判りそうなものなのに。
私は独りよがりな愛をそなたに押しつけ、我慢ばかりさせていた。
最早、両親の顔を見る気力もなく、賛は黙って中宮殿を後にした。王と王妃に逢わずに出てきた世子を見て、馬尚宮は何か言いたげだったが、賛は彼女に言った。
「私が来たことは殿下にも中殿さまにも話してはならぬ」