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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第39章 葛藤

数日後の夜、中宮殿に国王のお渡りがあった。若い砌から王妃以外の女性には見向きもしない王は、結婚後十数年余経た今も、数日に一度は妻の寝所を訪れる。
月が中天に昇る時刻、王と王妃は寝所で水入らずで過ごしていた。二人ともに純白の夜着一枚きりだ。大人がゆうに数人は寝転べるほどの大きな寝台の周囲には、薄絹の帳が降りている。風もないのに、かすかに揺れている帳を眺めやりつつ、王妃は一体、どのように良人に事の次第を伝えるべきか思いあぐねていた。
月が中天に昇る時刻、王と王妃は寝所で水入らずで過ごしていた。二人ともに純白の夜着一枚きりだ。大人がゆうに数人は寝転べるほどの大きな寝台の周囲には、薄絹の帳が降りている。風もないのに、かすかに揺れている帳を眺めやりつつ、王妃は一体、どのように良人に事の次第を伝えるべきか思いあぐねていた。

