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第39章 葛藤

　言いかけ、王妃は呟いた。



「そもそも、あなたとその娘の間には、終わるも何も最初から繋がりなどなかったのではないの？」




　単に妓房で美しい下働きを巡って、若者同士で諍いが起きたにすぎない。王や王妃の認識はその程度であったようだ。つまりは、その場凌ぎの感情であり、娘と賛の間に恋愛感情が存在するなど、考えたこともなかったのだろう。