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第39章 葛藤

　賛は窓枠に手を掛け、ひょいと身軽に室に入った。ホン内官は嘆息した。



「別に表口から堂々とお戻りになっても良かったんですよ」


　賛は首を傾げた。


「さりながら、私が外出しているのを知る者は、そなただけだろう？」


　ホン内官がどこか諦観の滲んだ様子で首を振った。




「残念ながら、邸下。既に邸下のご不在は殿下や中殿さま(チユンジヨンマーマ)のお知りになるところです」