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第18章 洞窟に咲く桜

　雪鈴が絶体絶命の窮地に陥っているその同じ頃、コンは宿で気を揉んでいた。彼が眼を覚ました時、既に雪鈴の姿は宿になく、彼は女将の娘から雪鈴の伝言を受け取ったのだ。




　雪鈴は早朝にハクビ村まで散歩にゆくと言って出掛けたのだという。だとしても、いかに何でも遅すぎる。日の出と共に出掛けたのなら、とっくに戻ってきても良い頃合いだ。