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第16章 伝説の村

　翌朝、雪鈴はコンと差し向かいで朝食を取っていた。上座に座ったコンの前には、簡素な朝食が並んだ小卓が置かれている。向かい合うようにやや下手にも同じ小卓が置かれ、雪鈴はその前に座していた。



　基本的に、コンは贅沢はしない主義だ。食事も王族らしからぬ素朴なものばかり、品数も多くない。それでも、一般の民から見れば、ご馳走の部類に入るだろう。それが朝鮮の哀しい現実だ。