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第30章 『公開処刑の前日』

お客さんからの紹介で…、
新規さんが増えてる感じだったりする。

正直な話…だけど、これだけでも
十分生活はそれなりに出来てしまうけど…。
あんまり…こればっかりだと、
他の仕事出来なくなるし…
僕としても悩ましい…所ではある…。

個人のAV撮影とか…、それこそ
この間の樹さんが読んでくれた
シークレットパーティーのサクラとか
今回の件みたいな興信所がする
素行調査みたいなやつとか。
別れさせ屋みたいな仕事の方が
報酬が高額だから純粋に儲かるし…。

「仁さん…、
もうすぐ田中様ご来店です…」

真奈美ちゃんは…本舗の近辺に
設置されている防犯カメラは
全部ハッキングしていて
こっちで見られる様にしているから
田中さんがもうすぐ来店すると
僕に教えてくれて。

田中さんの来店に合わせて迎えに
本舗の入口の前で待っていると。

『いらっしゃいませ、田中様
ご来店お待ちしておりました』

「ここで…私が来るのを…、
待ってて下さったんですか？」