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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第29章 『ロールプレイングの下準備』

自分の隣で萌花さんに
手を合わせている仁さんの
横顔を見ながら真奈美は考えていて。
「ミルキーのお線香があるなんて
知りませんでした…」
『他にもボンタンアメとか、
あずきバーのやつとか
クッピーラムネとか
ピーチネクターとかもあったよ』
変わり種のお線香に
そんな種類がある事に
驚いちゃったんだけど。
『さ、萌花に挨拶もして貰ったし…。
そろそろいい時間になってるし
あっち行って…寝ようか?』
寝室に移動して…、ベッドに入って
真っ暗な部屋の天井を
真奈美はぼーっと眺めて居た。
とは言え…真っ暗だから…
目を開けてても闇の中に濃淡が
出来ているぐらいにしか見えない。
前にこのベッドで横になった時は
仁さんの匂いでドキドキして
全然寝れそうになかったんだけど…。
今は…そんな…妙な緊張感みたいな
そんなのは…不思議と感じない…。
「あの…仁さん…」
『何?真奈美ちゃん。どうかした?』
「あの…仁さんが…行きたい時で
いいんで…また…いつか…、
萌花さんのお墓参りに…
真奈美も…連れて行って欲しいなって」

