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第29章 『ロールプレイングの下準備』

真奈美ちゃんは難しい顔をしながら
院長先生の話を聞きながら
チラチラと院長先生の顔を見ていて。
多分息子さんが院長先生が幾つの時に
生まれた子供なのかとか
そんな事を考えてるんだろうけど。

「お嬢さんみたいな、可愛らしい女性に
そんなに見つめられてしまうと。
おじさんは恥ずかしくなりそうだね。
お嬢さんからすれば、私の息子が
縁談がどうこうって言う年齢じゃ
ないんじゃないかって気になるようだね。
うちには上に２人娘が居てね、
その２人の娘も医者になって
今は神戸と大阪の病院に勤めてるよ」

「そ、そうでしたか…。
すっ、すいません失礼を…致しまして」

「いやいや、気にして貰わなくていい。
跡継ぎの息子が欲しくてね…。息子は
４０過ぎて…出来た子だから…。
家内には…無理をさせてしまったよ…」

院長のその話を聞いて仁は成程と
思って妙に納得してしまった。
年が行ってから出来た子供は
それも念願の男の子だった訳だし
小さい頃からその子は、この病院の
後継ぎとし両親からもある程度
大きくなって成長した２人の姉からも
可愛がられて大事にそして
厳しく厳格に最高の環境を用意されて
育てられたに違いない…。