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因果応報
第3章 お付き合いは苦手〜松本杏奈
翌日、約束の時間の10分前に到着すると、
既に龍太郎さんが目立たない処に立っていた。


「良かった。
来てくれないかと思った」と言って、
腕を差し出すので、そっと腕を絡めると、
龍太郎さんは少し照れ臭そうな顔で、唇を歪めたようだった。

多分、それ、笑ってる。

お店に入って、
席に座ってのんびり商品を観せていただく。


「龍の卒業式と入学式があるんだろう?
着物で行くのかな?
だったら、ケリーが良いんじゃないか?
それとも、バーキンかな?」


そんなことを言いながら、
スタッフの方とあれこれ話して決めるのは龍太郎さんで、
私はすっかり置き去りになった感じではあったけど、
綺麗にラッピングしていただいてお店を後にした。


お店から出ると、脇道にいつもの配下の方が車を回してくれる。


「送るよ?」と言われたけど、

「大丈夫です」と答えてしまう。
一緒に居ると、胸が苦しくて泣きそうになる。


龍太郎さんはタクシーを停めてくれて、
そっとハグすると、
「まだ、戻って来てくれないのかな?」と囁く。

私がそっと首を横に振ると、
タクシーに乗せてくれた。



うん。
まだ、帰れない。

多分、ずっと帰れそうにない。


そう思いながら帰路についた。
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