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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

「あなたの瞳はとても澄んでいて美しい、吸い込まれてしまいそうです」
「……そ、んな……シェードさまこそ……」
シェードさまは女性になれていらっしゃるんだわ、こんなに素敵な人ですもの……当然よね。
社交界では、このような褒め言葉は普通に交わされるもの。そうとわかっていても、シェードさまの言葉に胸がキュンっとしてしまう。
「アザレアは、どの男性の前でも顔を赤く染めてしまうのでしょうか」
「え……?」
「その瞳で見つめられ、頬を染めたら男はみな勘違いしてしまいます」
シェードさまは、ワルツを踊るため高く掲げた手を離し、その手でわたしの頬を触れた。
「それとも、ワタシの前だからですか? だと、嬉しいのですが」

