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第67章 母と娘のステージ（第十部）

「レディースアンド、ジェントルマン・・・」

エコーの効いた声が会場に鳴り響くと、眩しい光がステージを照らした。

「う・・・うぅ・・・」

低く呻いた香奈子のシルエットが浮かび上がる。

両手には手錠がかけられ、万歳するように鎖で繋がれていた。

ヒールを履いた長い足は、黒いストッキングから伸びたガーターが際どく隠すシースルーのパンティーが覗き、同じくシースルーの下着から豊満なバストがこぼれる上半身と共に淫靡な姿を晒している。

「おおぉ・・・・」

その見事なプロポーションに場内にどよめきが起きる。

「あ・・・あぁ・・・」

暗闇の中で待たされている間、固唾を飲んでいた香奈子はギラツイタ男達の視線を浴びて、怯えるように肩を震わせた。

ショーの中で香奈子はスターなりつつある。

常連客はアナウンスされる上流階級のマダムというストーリーを信じていた。

この怯えた表情がマニアには堪らない。

どれだけ淫靡に調教されようとも、ステージに登場する際には、常に初めてのように羞恥心で顔を真っ赤に染めて、今にも泣き出しそうに瞳を潤ませているではないか。

そのくせ、調教が進み身体が反応し出すと、狂ったように官能を求めるのだ。

その変化がいかにも自然で、他のベテラン女優達を差し置いて今では一番の人気なのだ。

そして、今日のショーは常連客に限定され、入場者も何時もの半分以下だった。