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第20章 もつれるストッキング4　　　　　律子とゆかり

　103　必死な抗い

　そう、実は揺らぐ心を抑え、押さえ、落ち着かせ様と…
　必死に言い聞かせていた。

　じゃないと…

　この松下律子という秘書の魅力溢れる存在感に…
　なぜかわたし自身も魅き込まれそうな感覚を感じ始めてきていたから。

　それはなぜか…
　多分、わたしは、この松下秘書に対して…
『なんとなくぅ、あっちんに雰囲気がぁ、似ていてぇ…』
　不意に、そんな越前屋さんの言葉が脳裏に浮ぶ様に、さっきから伊藤敦子の存在感をダブらせてしまう様な感覚に心が少しずつ揺らぎ、さっきから、ううん、秘かに彼女を観察していたらそんな感じになりザワザワと心が騒つき始めてきていたのだ。

　つまり…
　伊藤敦子や隣にいる蒼井美冴さんに対して秘かに抱き、心の奥深くに隠し、しまいこんでいるビアンという禁断の想いがゆっくりとフタを外して浮かび上がってきて、わたしの心を刺激をし、揺らがせてきつつあるという事なのであろうと感じ始めていた。

　そうそれは、ここ数日間であの二人との関わりと交わりにより自覚してしまった、いや、本当に本当は、心の奥深くに隠くれていたわたしの第二の性癖嗜好といえる禁断のビアンという不惑の性癖衝動が…
　ゆっくりと覚醒してきている事を意味し、顕れ始めてきているのだと感じるのだ。

　わたしはそのくらいに、この松下秘書の魅力に魅了され、魅せられ、惹かれつつある自分の思いに自覚をし…
　必死に目の前の彼女の魅惑に陥らない様に抗い始めていた。

　そして、だからこそ彼の浮気心が刺激されたのも仕方がないわ…
　と、ある意味開き直り的にも考るようにして、そう必死に自分に言い聞かせてもいたのである

　だが…