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第20章 もつれるストッキング4　　　　　律子とゆかり

　101　あの三日間…

　彼のヘタなウソ…
　それは浮気、浮気心を顕すウソ。

　それはあまりにもこの松下秘書のストッキング脚が美しくて魅惑的であるからに違いなく…
　なぜなら、彼、大原常務、いや、わたしの愛する大好きな大原浩一という男は強いストッキングフェチ、ストッキングラブな性癖嗜好の男であるから。

　だから、それは…
　あくまでも浮気なのだ。

　浮気…
　それは読んで文字の如く…
『浮ついた気持ち』
　そう、それは松下秘書の魅惑的で魅力溢れるこの美しいストッキング脚に魅了されてしまい、つい、心を浮つかせてしまった結果。

　浮気…
　それは、彼の重度な強いストッキングフェチの性癖嗜好ならば致し方ない嗜好、思考、そしてオスの衝動の結果。

　わたしには彼の想い、性癖嗜好による思考の流れ、オスの性衝動からの心の揺らぎを理解できる…

　つまりされは、あくまでも浮気という事だから…
　決して本気ではないから。

　それに今日は8月21日木曜日だから…
　なぜなら、つい四日前の18日月曜日の朝まで、つまりは15、16、17日と三日間、わたしは彼のマンションにまで押しかけて、たっぷりと愛され、抱かれ、18日月曜日の朝を共に迎え、一緒に出勤したのだから。

　そしてその18日の朝に…
　彼への山崎専務からの突然の常務就任の電話も、同じベッドの上で一緒に聞いたのだから。

　それに一緒に過ごしたその三日間という時間に…
『一緒に住むか…』
　(P2124〜参照)
　と、までも、例えその時の雰囲気に彼が流され、本気ではないとしても間違いなくそう云われたのだから。

　そしてまたわたしと彼には約二年半という共に過ごし、歩んできた濃密な時間があるのだから…
　そう、わたしは彼、大原浩一という男を愛しているし、間違いなく愛されているのだ。

　彼が常務に就任して今日で四日目…
　そしてそれによる松下秘書の専属秘書就任という事…
　それはつまり、彼と松下秘書の時間ともいえるのである。

　まだたったの四日なのだ…

　歩んできた時間の重さ…

　愛の重さが、いや、比べるまでもない…