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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第65章 切なさの向こう側
 王女の懐剣は螺鈿細工の施された見事なものである。紅順は懐剣の柄を両手で持ち、鈍く光る銀色の刃を自身に向けた。




 一瞬だけ、大好きな父や母の顔が脳裡を掠め、よぎっていった。更に、もう随分昔に亡くなった朴尚宮も。
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