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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第27章 心に走る漣(さざなみ)
 英宗は常々、女たちの園である後宮を〝伏魔殿〟と呼んでいる。





―後宮は恐ろしきところだ。水上では美しい花々が咲き乱れていても、水底(みなそこ)では互いに脚を引っ張り合い、隙あらば敵対者(ライバル)を陥れようとする濁りきった泥沼のようなものよ。さしずめ、魔物の巣窟というところだな。
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