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第4章 秘密

　辺りが森閑としているだけに、水音は余計にしじまに際立って響いた。その水音を合図とするかのように、チェスンは口を開いた。





「殿下をお慕いしております。初めて出逢った十一年前から、ずっと忘れたことはありません」




　ソンは鋭く息を呑んだ。彼にしてみれば、予想外であり夢にまで見た応えだった。けれど、若い娘が意中の男の求めに応じるには、彼女の声も表情もあまりにも悲愴すぎた。