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第1章 累（かさね）

「あなた、それだったら西原町のＮカンパニーはどうかな？」
「アカンアカン…Ｎカンパニーの事業主は振り込め詐欺のグループが経営してはる事業主や!!慶彦を犯罪者にさせる気か!!」
「そんなことないわよ…社長さんは若いときにご苦労なされたのよ…」
「アカン言うたらアカン!!振り込め詐欺のグループが経営してはる事業所だと言うのがわからんのか!!」
「分かったわよ…それじゃＮカンパニーに断っとこわい…それじゃあ、ひうちにあるＰコーポレーションは？」
「そこもダメだ…事業主が株にてぇつけて従業員さんのお給料を使って穴埋めしていたことが週刊誌で報じられていたのだぞ!!」
「あなた、それほんとうなのかしら…」
「本当だからいよんやろが!!」
「ほんなら断っとこわい…それじゃあ玉津にあるＫ製作所は？」
「Ｋ製作所だと!!そこの事業主のセガレがシリアに渡ったと言うウワサが出ているのだぞ!!」
「Ｋ製作所の息子さんが中東に行ったことについては人道支援のボランティア…」
「そんなんウソに決まっている!!Ｋ製作所の事業主の息子はテロリストになるために中東に行ったのだそ!!事業主のジジイも学生時代に革命起こすのだと言うてよど号ハイジャック事件を起こした人間なんだぞ!!」
「分かったわよ!!断っとこわい!!それじゃあ、氷見にあるＨカンパニー…」
「そこは独裁国家の政党の幹部が事業主だが経営実態のないペーパーカンパニーだと言うことがわからんのか!!」