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愛してるからこそ...
第22章 贈り物

開けてしばらくすると
目の前のプレゼントが一瞬でぼやけていく。
それを見て正人は私の頭を撫でてくれた。
どうしてこんなものを…と思う反面
嬉しくて信じられなくて涙が止まらない。
「最高のプレゼントだな。」
正人の言葉に返す余裕もなく
うんうん!と頷くことしか出来ない。
一生大事にしてもし私に女の子が産まれたら
その生まれてくる娘にも渡していきたい。
「あり、がと…っお母さん...」
そう声を出して言えたのはしばらく経ってからだった。
お父さんがあの時に部屋に持ってきてくれたもの
それは真珠のネックレスだった。
そして
はっきりとお母さんの字で
【結婚おめでとう。幸せになってね。】
そう書かれていた。
亡くなっているはずのお母さんからの贈り物。
どうして今これが…と不思議で仕方ない。
次の日まで我慢出来なくて
お父さんの部屋をノックしていた。
少しだけ時間が空いたけどお父さんがどうぞと
言ってくれたから勢いよくドアを開ける。
『どうしたんだい?そんなに焦って。』
目を擦りながら私に言ったお父さんは
多分寝ていたのだろう。

